ドラムブレーキはホイールと一体になって回転しているブレーキドラムの中に、回転しないライニングと呼ばれる摩擦材を貼ったを貼り付けたブレーキ・シューとよばれるものがあり、ブレーキを握るとそのシューが広がってドラムを内側から押し回転を制動します。
ドラムブレーキの最大の特徴といえば、サーボ効果(自己倍力効果)です。
これは回転するドラムにブレーキシューを押しつけることによって、ドラムに食い込む(引きこまれる)力が発生し、より強い力でドラムを押さえつけることで、結果的に強い制動力を生み出します。
制動力は摩擦材の性質によって決まる摩擦係数と、その摩擦材の面積、および摩擦材を押しつける力の大きさで決定するため、絶対的な制動力の大きさに関して言うなら、ドラムブレーキはディスクブレーキに劣るわけではありません。
しかしブレーキは熱をもってしまうために、その熱をいかに効率良く大気中に発散させるかが重要になってきます。このブレーキの放熱性に関する限り、ドラムブレーキは致命的と言える欠点があります。
ブレーキをかけると、ドラムの中の狭い空間の中で、ライニングとドラムが擦れ合って大量の熱が発生します。しかしドラム内に空気が流れているわけではないので熱は中にたまります。
そのため、ライニングの表面が鈍ってくるフェード現象や、油圧の力でピストンを押すブレーキオイルが沸騰して、中に気泡が発生するペーパーロック現象が起きやすいのです。
これがドラムブレーキの最大の欠点です。ドラムに放熱用のフィンを用いたアルフィンドラムなども誕生しましたが、やはり放熱性ではディスクブレーキにはかなわないため、ドラムブレーキは最近では少数派になっています。
最近 ではヤマハのSR400などに付いています。(画像はホンダSS400)