フルフェイスのヘルメットは、高い安全性とオートバイの能力を向上させる機能がありますが、弱点も存在しています。
ここでは、フルフェイスのヘルメットの利点と弱点について解説していき、ヘルメットの安全規格についても触れていきます。
この記事に書いてあるコト
フルフェイスのメリット
フルフェイスのヘルメットのメリットは、安全性の高さと防寒性の高さ、防風性能が高くなる点があります。
そのうえで、オートバイの最高速度に関係する空気抵抗を抑え込むという利点があります。
特に安全性の高さについてはバイザーの仕組み及び、バイザーの仕様が安全性に一役を買っていてバイザーが太陽光反射タイプなどであれば不意に視界に光が差し込んでもまぶしさを感じることなく、オートバイの操縦を可能としています。
安全性が高い
フルフェイスのヘルメットは、首までをすっぽり覆うため、安全性はかなり高いです。
特に古フェイスヘルメットは首を固定するという特性を持っているため、衝撃を受けた際、首に受ける衝撃をフルフェイスのヘルメットが吸収し、分散させる構造になっているため、万が一、大きな事故を起こした場合、首にかかる負荷が少なくて済むため大けがを負うリスクが少ないという利点があります。
あくまでリスクが少ないという問題で絶対に安全であるとは言い切れませんが、安全性はフルフェイスが一番高いのでメリットであると言えます。
防寒性・防風性が高い
フルフェイスは、首をすっぽりと覆うという特性上防寒性と防風性が高いです。
これは、ヘルメット内に入り込む空気が少ないという意味で風が入り込まない構造故防寒性が高いです。
そして防風性についてはヘルメット自体の形状が風の抵抗を抑える構造になっており、かつ風が入り込まないように工夫しているため、風邪による影響を最低限に抑えることが可能という利点があります。
空気抵抗が少ない
フルフェイスは、空気抵抗がかなり少なく、その理由は、風の抵抗を受けないようなフォルムをしているためです。
ハーフキャップやストーリートジェットのようなバイザーを搭載していないタイプのヘルメットの場合、空気の流れがヘルメット内部に入り込むため、ダイレクトにオートバイを操作する人物に風が影響を与えます。
一方、フルフェイスは、オートバイを操作する人物にダイレクトに風が当たらないようにするとともに、風の抵抗を軽減する構造になっているため、オートバイのトップスピードにも影響するのがフルフェイスの利点になります。
フルフェイスのデメリット
フルフェイスのヘルメットにはデメリットも存在しており、デメリットについては、空気がヘルメット内に入り込まないことで起きるデメリットが多く、かつ、視界の問題のほか、価格が高いなどのほかに眼鏡を装着したままオートバイの運転は難しいなどがあります。
いずれにしろ、快適にオートバイを運転できるかどうかという部分が弱点になり、ハーフキャップやストリートジェットヘルメットのような開放感があるヘルメットではないです。
夏暑い
多くの方が、フルフェイスのヘルメットを嫌う理由のダントツ部分がこの夏場が熱いという問題です。
これは、フルフェイスのヘルメット特有の弱点で、フルフェイスは、風邪の抵抗を抑え込むため、風邪が入り込まないようにしているため、通気性がないのです。
ですが、近年のフルフェイスメットはあえてバイザー部分やメット内にベンチレーターという空気取り入れ口を設けて空気を入れ替える機構を備えていて、空気が前方から後方に抜ける構造を採用し始めているため、すべてのメットが夏場が熱いと言い切れないです。
冬シールドが曇る
冬場にバイザーシールドが曇るという問題ですが、このデメリットは、バイザー自体が曇り止めになっていないなど仕様上の問題です。
この問題は対策が可能でバイザーシールドに曇り止めを処置することで問題の対策ができますが、必ずしも曇り止めが完全に機能すると言い切れない部分もあります。
そうなりますとバイザーを開放して空気を入れてオートバイを操縦することになりますが、フルフェイスの利点が失われ、空気抵抗が増大します。
視界が狭い
視界が狭いというデメリットについては、フルフェイスは、どちらかというと競技用のヘルメットなので、視野をある程度犠牲にしてオートバイの速度向上を目指したヘルメットになるため、仕方ない部分があります。
よって、このデメリットについてはオートバイの速度向上上仕方ないと考えるしかないでしょう。
ヘルメット自体が重い
フルフェイスのヘルメットは、安全基準があり、安全基準が厳しいため、どうしても重量という形で重くなってしまうんです。
ですが、近年は、材料の変化とともに軽量化が施されており、実は以外にも重くないヘルメットになりつつあり、競技用のヘルメットでありながら軽量でかつ安全性の両立ができ始めています。
価格が高い
フルフェイスは、安全性が最も高く、オートバイ自体の速度向上などバイクの性能を引き出す効果があるため、どうしても価格という方向で高くなるのです。
特に計量モデルで特殊素材を使用しているヘルメットなどは価格が高くなるというデメリットが存在しています。
メガネがしにくい
フルフェイスは、高速走行時の安定を図るメットで競技用なので、眼鏡を着用して走行するという概念はないのです。
だから、デメリットにおいてメガネがしにくいというのは致し方ない部分になります。
ヘルメットの安全規格
フルフェイスのヘルメットに限らず、ヘルメットには安全基準というものがあります。
JIS規格やPSCなどの規格がヘルメットの安全規格でここからはヘルメットの安全規格について記載します。
JIS
JISは日本の工業製品の安全基準を満たした製品であるという証明書で実は任意です。
任意ですが、企業はJIS規格を取得することで自社の商品は安全であることを証明できます。
無論、この規格は、任意でありながらも審査がありますので審査に合格しないと取得できない工業製品の規格になります。
PSC
国が定めている安全規格になり、日本の製品の多くが取得している安全規格です。
国が安全であると定めていることから日本で発売されている日本の企業の製品の多くがこのマークを持ちます。
ヘルメットも同様に日本の会社のヘルメットは間違いなくこの規格を取得し、自社の製品にマークを付与しています。
SG
民間の安全規格になり、以前はこの規格の商品であれば、事故の賠償を受けることが可能となりましたが、現在は保険会社が自己の問題に関与するため微妙に必要とされなくなりました。
MFJ
日本のレース協会が定めている規格で、レース場でレースをする場合に使用するヘルメットの規格になり、この規格マークがないとレースへの参加が許されません。
ですが、レース場で走行することは許されます。
SNELL
アメリカの財団が定めた安全基準で、オートバイの日常使用のヘルメットの安全性やレース場などで機能する安全規格です。
アメリカ版のPSC規格だと思ってもらえればわかりやすいです。
フルフェイスヘルメットを選ぶ際には、安全基準にも注目する必要があります。
安全基準は国や地域によって異なりますが、日本の場合はJIS(日本工業規格)規格に準拠したヘルメットが安全基準をクリアしています。
JIS規格は、耐衝撃性や視界確保性、顎ベルト強度などのテストを行い、合格基準を設けています。
安全基準をクリアしたフルフェイスヘルメットを選ぶことで、より安全なライディングを行うことができます。
フルフェイスの選び方
ヘルメットは自分に合ったフルフェイスヘルメットを選ぶことが重要です。
フルフェイスヘルメットは、ライディングにおいて最も重要な保護具の一つであり、安全性や快適性に優れたものを選ぶことが、より安全なライディングを楽しむために欠かせません。
頭囲のサイズ
頭囲のサイズは、フルフェイスヘルメットのフィット感を確保するために非常に重要です。
ヘルメットが適切なサイズであれば、適切な保護を提供することができます。
フルフェイスヘルメットを購入する前に、自分の頭のサイズを測定し、適切なサイズを選ぶことが重要です。
ベンチレーション構造
ベンチレーション構造は、フルフェイスヘルメットの快適性に大きく影響します。
適切に設計されたベンチレーション構造は、ヘルメット内の空気の流れを調整し、蒸れやムレを軽減します。
特に、夏場の暑い日や長時間のライド時には、ベンチレーションの性能は重要です。
ツーリング用途なら軽さも大事
ツーリング時には、軽量なフルフェイスヘルメットが快適です。
ツーリング中は長時間の着用が必要であるため、軽量であることは重要な要素です。
しかし、軽量なヘルメットは衝撃に対する保護性能が低下することがありますので、適切なバランスを考慮する必要があります。
シールドの色や性能
シールドの色や性能も重要です。ヘルメットのシールドは、日差し、風、虫などから顔を保護するための重要な要素です。
適切な色や性能を選ぶことで、快適なライディングができます。
以下に、フルフェイスヘルメットのシールドについて詳細を説明します。
シールドの色
フルフェイスヘルメットのシールドには、クリア、スモーク、ミラー、レインボーなど、さまざまな色があります。
クリアは視界が明るく、スモークは日差しや強い光を遮る効果があります。
また、ミラーは反射率が高く、外部からの視線を遮り、レインボーは色合いが独特でファッショナブルな印象を与えます。
耐衝撃性
シールドは、耐衝撃性が求められる部分であるため、高強度の素材が使われます。
一般的に、ポリカーボネート素材が使用されることが多く、耐衝撃性が高く、軽量であるため、安全性と快適性の両面を兼ね備えています。
UVカット機能
一部のシールドには、UVカット機能やブルーライトカット機能が搭載されている場合があります。
これらの機能により、目の疲れやダメージを軽減することができます。
取り外しや交換
シールドは、外れたり、傷がついたりした場合には取り外しや交換が必要です。
一部のフルフェイスヘルメットは、クイックリリース機能が備わっており、ボタンを押すだけで簡単に取り外すことができます。
また、交換用のシールドも、専用の取り付け部分に取り付けるだけで簡単に交換ができます。
アンチフォグ機能
シールドには、アンチフォグ機能が搭載されている場合があります。
アンチフォグ機能は、シールドの内側に処理が施されており、曇りを防止する効果があります。
これにより、寒い季節や雨天でのライディングでも、クリアな視界を確保することができます。
ヘルメット内装は洗えるか
ヘルメットのインナー・内装は取り外しができて洗濯可能であることが望ましいです。
長時間着用するため、内装は清潔を保つことが重要です。
洗濯可能な内装は、手軽に清潔に保つことができ、快適性も維持できます。
また、内装の素材も重要です。
内装は、頭や顔に接する部分であり、快適性や衝撃吸収性に大きく影響します。
通気性の良い素材や、衝撃吸収性の高い素材が使用されることが多く、自分に合った素材を選ぶことが重要です。
高品質素材
高品質な素材として、フルフェイスヘルメットの外殻には、通常、繊維強化プラスチック(FRP)やカーボンファイバーが使用されます。
FRPは、軽量かつ強靭であり、比較的低コストで製造できるため、一般的な素材です。
一方、カーボンファイバーは、FRPよりも強度が高く、軽量であるため、高級ヘルメットに多く使用されます。
ただし、カーボンファイバーはFRPよりも高価であるため、コストがかかります。
内装・インナー素材
内装には、通気性や吸汗性に優れた素材が使用されることが一般的です。
代表的な素材としては、ポリエステルやメッシュ生地が挙げられます。
また、防臭効果があるシルバーコーティング素材も使用されることがあります。
衝撃吸収性に優れた素材としては、イタリア製の特殊なウレタンフォームが使用されることがあります。
シールド素材
シールドには、耐衝撃性が高く、視界を確保しやすいポリカーボネート素材が一般的です。
また、曇り止めや防曇機能が備わったシールドもあります。
以上の素材が使用された高品質なフルフェイスヘルメットは、安全性や快適性に優れ、高価格帯のヘルメットに多く使用されています。
フルフェイスヘルメットは、ライディング時における重要な保護具の一つです。
適切なサイズ、ベンチレーション構造、ツーリング時の軽さ、シールドの色や性能、内装の洗濯可能性など、様々な要素を考慮して選ぶことが大切です。
自分に合ったフルフェイスヘルメットを選ぶことで、快適なライディングを楽しむことができます。
おすすめフルフェイスヘルメット7選
おすすめのフルフェイスヘルメットをチェックしてみましょう。
HJC(エイチジェイシー) バイクヘルメット
出典:アマゾン
- ポリカーボネートシェル
- 3Dシールド(UVカット/アンチフォグレンズ別売)
- 抗菌・速乾内装(着脱式)
- ACS(Advanced Channeling Ventilation System)
- ラピッドファイヤーシールド着脱システム
- スピーカーホール
- 規格:SG・JIS
ヤマハ(Yamaha)バイクヘルメット フルフェイス YF-1C
出典:アマゾン
- カラー:ブラック
- サイズ:M(57~58cm)、L(59~60cm未満)、XL(61~62cm未満)
- 規格:JIS2種 SG
- 素材:強靭なポリカーボネイト複合素材
オージーケーカブト フルフェイス SHUMA FLAME(フレイム)
出典:アマゾン
- 標準シールド:CF-1W UICシールド
- 規格:JIS
- 眼鏡対応チークパッド
- 内装フル脱着システム
アライ(Arai) バイクヘルメット フルフェイス ASTRO-LIGHT
出典:アマゾン
- 規格:JIS
- 帽体:cLc(コンプレックス・ラミネート・コンストラクション)
- 内装:ハイフィッティング内装(“冷・乾"内装)
- MFJ公認シールド:スーパーアドシスLRS標準装備(特許)
- カラー:白
NOLAN 【国内正規品】(ノーラン) N60-6 ストーナー
出典:アマゾン
- 【用途】基本機能をおさえたエントリーモデルのバイク用フルフェイスヘルメット
- 【仕様1】安全基準は欧州CE規格と日本SG規格の両方クリア
- 【仕様2】機動隊の防弾盾にも使用されているLEXAN(ポリカーボネート)を素材に採用することで、軽さと耐衝撃性を両立
- 【仕様3】7段階の高さ調整ができるインナーバイザー
- 【仕様4】PINLOCKシート(曇らないシールド)標準装備
AGV(エージーブイ) バイクヘルメット フルフェイス K1 SHIFT
出典:アマゾン
- 規格:JIS・SG
- サイズ:Sサイズ (55-56cm)
- 素材:ABS
- 内装:脱着可能・アジアンフィット
アライ(Arai) バイクヘルメット フルフェイス XD
出典:アマゾン
- 規格:SNELL・JIS
- 帽体:PB-cLc(ペリフェラリー・ベルテッド・コンプレックス・ラミネート・コンストラクション)
- 内装:ハイフィッティング・アジャスタブル・FCS内装(抗菌・消臭・防汚内装/オプションにて調節可能~特許)
- シールド:VAS-V MVシールド(クリアー)標準装備
まとめ
フルフェイスのヘルメットについては、安全性と機能性の両立が難しく、安全性は高くとも、夏場が熱いなど、熱を逃がす機能については十分ではなかったりします。
日本のヘルメットについては、安全規格マークが存在しているかが重要で、PSCマークがないと日本では、安全な商品であると言えないため、PSCがまずないと危険な商品という扱いになります。
さらにフルフェイスヘルメットは長期的な使用を前提としているため、価格も重要な要素の一つです。
高価格帯のヘルメットは高品質な素材や機能が備わっている場合が多く、安全性や快適性が保証されています。
しかし、自分の予算や必要な機能に合わせて、適切な価格帯のヘルメットを選ぶことが大切です。
以上の要素を考慮し、自分に合ったフルフェイスヘルメットを選ぶことが重要です。
フルフェイスヘルメットは、ライディングにおいて最も重要な保護具の一つであり、安全性や快適性に優れたものを選ぶことが、より安全なライディングを楽しむために欠かせません。