シケイン(chicane)はモータースポーツの競技コースで、車両の速度を減速するために設置された半径の小さいカーブや小カーブが連続する状態をいいます。
長い直線コースで猛スピードを出して走っていたのがシケインの直前で急激な減速をせざるをえません。
もう一つのシケインの目的は、こうした減速ポイントを設けることで危険な速度域に達するのを抑えるというもの。
長い直線コースの途中に設置し速度を落とさせたり、直線コースの終わりに設置し高速のままコーナーに入る危険を回避させることができます。
シケインは「chicane」と書きます。英単語のchicaneには、「合法的な詭弁・ごまかし」といった意味があります。
高速コーナーなど、スピードが出過ぎて事故、クラッシュが起きやすい場所に、小さな切り返しを付けスピードを落とさせるための場所となります。
サーキットにおいては通常は長いストレートの最後に設置されます。
競い合う車両同士がブレーキング操作をし、追い抜き追い越されということが起こります。
つまり、追い抜きをする大きなチャンスとなるのです。
現代の自動車、バイクのレースでは先行車両に追いつき追い越しができる最良の地点の一つであると思われます。
またシケインにおいてはその目的と形状から極めて少ないリスクでショートカットしタイムを短縮することができる場合があります。
レース用語ではレース中、先行車両にうまく追い抜きをさせることのできない車両はしばしば動くシケイン 「Mobile Chicane」のように呼ばれることがあります。
青旗が提示された場合、先行車両に追い抜かせる義務が発生しますが、ドライバーの技量が十分でない場合接触などのアクシデントが発生する場合が多いようです。
サーキットにおける有名なシケインがあります。
- カシオトライアングル:日本の鈴鹿サーキットの最終コーナー手前にあるシケイン。
- バスストップシケイン:ベルギーのスパ・フランコルシャンの最終コーナーを兼ねているシケイン。
- タンブレロシケイン:イタリアのイモラ・サーキットの第1コーナーでもあるシケイン。