パワーバンドとは、エンジンが最も効率よく力を発揮できる回転域のことです。
一般的にエンジンの最大トルク発生回転から最大馬力発生回転の間のことを指す場合が多いようです。
例えば、5000回転で最大トルク、8000回転で最高出力を発揮するエンジンなら、その間の3000回転分がパワーバンドといえるでしょう。
また可変バルブのエンジンでは、切り替え後のハイカム領域を指すことが多いようです。
このパワーバンドを使って走ることでエンジンの出力性能が最大限発揮されます。
この記事に書いてあるコト
トルクバンドとは?パワーバンドとの違いは?
さてパワーバンドと合わせておぼえておきたい「トルクバンド」というものがエンジンの特性にはあります。
トルクバンドとは、言い換えるとエンジンにとって、もっとも効率よく混合気を燃焼させられる回転数と言えるでしょう。そして、トルクバンド付近では、エンジンが一番大きな力を発生します。
それに対するパワーバンドとは、トルクの低下を回転数で補える限界とも言えます。エンジンは高回転になると様々なロスが発生します。その落ち込んでしまったトルクを回転数で補っている回転領域なのです。
パワーバンド・トルクバンドの走りでの使い分けは?
レースやスポーツ走行などでパワーバンドを使うのは、トルクバンドで走行するより、ギアを一つ落としてパワーバンドに入れるほうが加速が良くなるからです。
ということはパワーバンドで加速を得るにはギアを落とさなくてはいけません。すなわち、燃費の上ではロスが大きくなります。
一方、(シフトダウンしないで)同じギアで走っている場合、パワーバンドよりトルクバンドの方が加速が良いようです。
公道を走る場合、回転数を無駄に上げないために、パワーバンドに入れて走るのは、それはそれで楽しいですが、一般的な走行ではトルクバンドを意識して走行することをオススメします。
まとめ
パワーバンドやトルクバンドを意識してバイクで走ることは、なかなかないでしょう。
しかし、信号の変わり目で先頭に出たい場合や高速道路の流入やレーンチェンジ、追い越し加速などではバイクの加速を活かしたいもの。
そんな時はアクセルワークで、ぜひともこのパワーバンドを考えて見てはどうでしょう。
とくに小排気量エンジンのバイクほど、このパワーバンドを活かす走りはオートバイの性能を存分に引き出すことができます。